「腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)」という言葉を、ニュースなどでよく聞くようになりました。子宮の病気にかかって手術が必要になり、「腹腔鏡手術でできます」と言われたことのある人もいるかもしれません。
腹腔鏡手術(腹腔鏡下手術)とは、「腹腔鏡」という内視鏡を使ってお腹の中の状態をモニターで見ながら器具を操作する手術のことです。
お腹を大きく切る従来の開腹手術と異なり、腹腔鏡手術はお腹に小さな穴をいくつか開けるだけ。痛みが少なく、術後の回復も早いのが特長です。忙しい現代の女性にうれしい手術法です。
腹腔鏡手術はお腹にある臓器の病気、例えば胃がんや大腸がんのほか、女性特有の病気や不妊症の治療でもよく行われています。
女性特有の病気としては、「子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)」や「子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」「子宮体がん」といった子宮の病気、「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」など の卵巣の病気が代表的です。
中でも子宮筋腫は、30歳以上の女性の少なくとも4人に1人はかかっている(※1)病気です。この治療においても、腹腔鏡手術が用いられています。
(※1)参考文献:日本産婦人科学会 日産婦誌61巻5号 婦人科疾患の診断・治療・ 管理 / 腫瘍と類腫瘍
腹腔鏡手術の傷あとは小さくても、やはり「傷」なので、皮膚へのダメージがあります。
ケアをおこたると、傷あとが赤くなって盛り上がったり、硬くなる肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドになることもあり、目立つだけでなく、痛みやかゆみに手術後何年も悩まされることになります。これらの症状は特に下腹部で起こりやすいため、腹腔鏡手術もそのリスクが高いのです。
手術後に予防ケアをすることで、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドになるリスクは下がります。
原因となるのは、傷が治るときに必要なコラーゲンが作られすぎ、皮膚が盛り上がってくることです。
おすすめなのが、シリコーン製のシートです。テープよりも費用はかかりますが、クッション性のあるシリコーンゲルでしっかり優しく傷あとを保護します。
小さな傷ではありますが、大きな傷あとになってしまうことのないよう、数か月間は忘れずケアをしましょう。