
近年日本では周産期医療の発展に伴い、出産時の母子にリスクが伴う場合、帝王切開を選択されるケースが増えてきました。厚生労働省の発表では近年、帝王切開率は増加傾向にあり、帝王切開で出産される割合は5人に1人を超え、ギリギリまで自然分娩にこだわり緊急帝王切開に移行するといったケースは少なくなってきました。
人気マンガ「コウノドリ」でも自然分娩にこだわる妊婦に対して主人公は「帝王切開は立派なお産です。」と伝えています。
母子のリスクを減らす帝王切開分娩ですが、母体のお腹に傷が残ります。 日本医科大学武蔵小杉病院が行った帝王切開の傷あとに関する臨床研究では34%の方が傷あとがミミズ腫れ(肥厚性瘢痕)になっていたと報告されています。(瘢痕・ケロイド治療 ジャーナル2007,1:96-98)
女性が傷あとを気にするのと同様に産婦人科医もできるだけ傷あとを目立ちにくくしたいと考えており、日本産科婦人科学会にて行ったドクターアンケートでは傷あとケアに関心があると答えた割合はほぼ100%でした。
従来の傷あとケアで広く推奨されているのは茶色のテープを3ヶ月間貼ることでしたが、
といった問題がありました。
また帝王切開出産では産後1ヶ月の検診以降に通院することはなく、傷あとに関しては追跡調査ができていないのが産婦人科の現状でした。
現在、レディケアの有効性と安全性を検討する臨床研究が東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科、国立成育医療研究センター産科、国際医療福祉大学病院産婦人科にて研究論文として発表され、遠州病院産婦人科、日本医科大学武蔵小杉病院形成外科、一宮西病院乳腺外科にて使用経験がまとめられています。
実際に臨床研究を行った静岡県浜松市の遠州病院の症例では1回目の帝王切開の傷あとが肥厚性瘢痕(ミミズ腫れ)になった方が、2回目の帝王切開の傷あとにレディケアを使用したところ、肥厚性瘢痕(ミミズ腫れ)にならなかったと報告いただいております。
ギネマムでは2016年2月より手術の傷あとのセルフケアに使用する医療用シリコーンゲルシート「Lady Care(レディケア)」を販売し、産婦人科医等の医療関係者に商品を紹介し、知ってもらうことで対象の患者さんにLady Care(レディケア)を紹介していただいています。
また、2019年11月には甲状腺手術後用シリコーンゲルシート「Lady Care(レディケア)ナチュラルUVカット」、2021年12月には乳頭保護用「Lady Care(レディケア)マンマボタンNAC14」とラインナップを増やし、多くの患者様にご愛顧頂いています。
実際に使用された患者様からいただいた声としては
などがありました。
2016年2月の発売以来、全国の産婦人科医等の医療関係者に情報提供を行い、紹介いただいている医療機関の数は500施設を超えました。里帰り出産の方の再購入のためにAmazon等によるインターネット通信販売や弊社ホームページによる販売も行っています。
形成外科領域では肥厚性瘢痕・ケロイドの予防にシリコーンゲルシートを使用するのは一般的で、形成外科医が執筆した論文では肥厚性瘢痕を除去した後に無処置では再発するところをテープとシリコーンゲルシートに分けて予防効果を観察すると、テープよりシリコーンゲルシートの方が予防効果が高かったと報告しています。(Dermatol Surg 2001;27:641-645)